高校時代、唯一出来た友達に頭突きされた話

f:id:botchinocharisma:20170225173506j:image

僕の高校デビューは酷かった。

高校入学間もないころ、僕はとにかく"1人目の友達"がほしかった。

"1人目の友達"さえ確保していれば、芋づる式にどんどん友達が増え、クラスに馴染める算段でいた。

休み時間のトイレ、放課後の掃除、何気ない待ち時間、慎重かつ大胆にフリーでいるクラスメイトに「部活なに入るの?」と当たり障りない一本槍で声をかけた。

だか、声をかけたクラスメイトは一言二言返したら、そそくさと去ってしまう。

僕が思うに、クラスメイトは恐らく、序盤で僕のような見るからに暗そうな奴と親しくなってもメリットがないと考えていたんだろう。

彼らは、彼らで見定めた明るくて一緒にいて楽しそうな"1人目の友達"と親睦を深めることでいっぱいだったんだろう。

僕は一通りそんな結果になったもんだから、声かけ2周目なんて出来ず、あっさり孤立した。1ヶ月も経たず。

 

だか、明るい高校生活を諦めきれない僕は行動を起こす。

ガリガリで運動神経も大したことがないのに、未経験で「空手部」に入部。f:id:botchinocharisma:20170225033813p:image

意外性でクラスメイトの注目を集めようとしたのだ。

しかし、元来のコミュニケーション能力の乏しさから、入部理由は「ちょうどムキムキになりたかった」のこれまた一本槍で上手く立ち回ることができず、ただただ引かれるだけで終わった。

空手部は夏休み終わりに退部した。

そこから、僕はクラスメイトと交流することを放棄し、休み時間は机に突っ伏し寝たふりをし、50分の昼休みは時間一杯かけてゆっくり弁当を食うという荒技で孤独の恥ずかしさを紛らわし、進まない時計に苛立つことで孤独と向き合った。

高一はそんな一年だった。

友達が1人もいないまま、高2に進級する。

退屈な1年がまた繰り返されることに絶望していたところに出会いがあった。

新しいクラスに、大人しい僕にもフランクに話しかけてくれるKがいた。

Kは中学は美術部で、高校ではサッカー部と文芸部の兼部という変わり者。

昼休みはKと2人で食べるようになり、休みの日にはカラオケに行ったりもした。

平穏に過ぎると思われた1年。

だか、僕は彼に不義理を働くことになる。

 

「一生に一度しかない高校生活なんやから、部活やらんと勿体無い」

と、Kは空手部を退部して帰宅部の僕に再三言ってきた。僕は正直、鬱陶しいと思いつつも、Kと放課後に部活見学に行くことになった。

書道部、吹奏楽部、演劇部などなどをKと見学したが、僕は「土日に学校に来たくない」「男女比で女子が多過ぎる」と言い入部を拒んだ。

そんな僕に、Kは「お前はクズだ。このまま、つまらない高校生活を送ればいい」と苛立っていて、さすがにせっかく部活見学に付き合ってもらったのに悪いと思い、Kも入っていて、土日に活動がない文芸部に渋々、入部した。

この選択が後に災いをもたらす。

 

僕は平日の文芸部の活動さえ、サボるようになる。端からやる気がないのだ。その頃、僕はニコニコ生放送にハマっていたのだ。学校から帰れば、パソコンを起動し、クズ雑談生主の放送を深夜まで見ていた。

そんな僕を見かねたKは「来週までに小説を一本書いて持ってこい」と課題を課した。

だが、僕は小説を書く気など更々無く、期限を過ぎても作文用紙に1文字も書き込まなかった。

昼休み。いつものように、Kと向かい合って弁当を食べる。

 

K「小説書けた?」

 

僕「ん?まあ、、」

 

K「見せてえや」

 

僕  スッ(白紙の作文用紙)

 

K   (頭突き)

 

 

...

 

 

.......

 

 

...............

 

 

 

も、元空手部に頭突きなんて度胸あるじゃねぇか...

 

その後、しばらくKとは口を利かず、文芸部も辞め、卒業まで帰宅部として高校生活を送る。